特集月:2011年2月
過去の特集一覧へ戻る
ぎふ家づくりの本web
家を「買う」のではなく「創る」という視点で建築家
と建てる家を考えてみる


 “デザイナーズハウス”と呼ばれ、建築家と建てる家に関心を持つ人が増えてきています。しかし一口に「建築家と建てる家」といっても、誰に頼めば良いのか分かりませんし、完成に至るまでのプロセスがどのような仕組みなのかなど、今ひとつピンとこない方も多いのではないでしょうか。そもそも、建築家と建てる家を創る理由とは何なのか、メリット・デメリットはどんなものがあるのでしょうか。建築家とコラボレーションして、数多くのデザイナーズハウスを手がけてきた株式会社OHKENハウスの大久保堅司代表取締役に建築家との家づくりについて伺ってみました。


“自由”な家づくりは本当に実現できているのか



  最近、建築家と建てる家を希望する人が増えているようですが、その理由はどんなところにあるのでしょうか?

●大久保 よく“注文住宅”、“自由設計”と言われますが、実は意外に縛りが多くて、『こんなはずではなかったのになあ』と感じるお客様が多いからだと思います。よくあるのが、『当社は外張り断熱工法のみの施工となります』といった具合に、その住宅会社が得意としている商品を勧めるケースです。断熱方法も、断熱材の種類にしても、本来は様々なものがあり、自由度の高い注文住宅であるならば、お客様が自由に選ぶことができるのが普通だと思うのですが、自由に選択できる住宅会社は意外に少ないのです。そうした理由が建築家と建てる家を希望する人の増加につながっているのだと思います。

注文住宅なのに、こだわりを実現できないケースもあるということですか?

●大久保 例えば、家具店で見つけたステンドガラスが気に入って、『リビングの窓に使いたい』と希望しても、『当社仕様の部材しか使用できません』と断られるケースが多いのです。住宅会社の施工しやすいプランや仕様になりがちで、いつの間にか制約だらけの住まいになってしまいます。

そう聞いていると、“自由”とはかけ離れていませんか?

●大久保 極端な例ですが、変形した土地に家を建てたいと希望した時、『プランは用意してあるものの中から選択してもらうことになるので、プランに合う土地を探してきてください』などというケースもあるようです。注文住宅は、本来、風土や土地形状に合わせたプランをいかに作り上げるかがポイントなのですが、そうした考えに基づいて完成した家は、必然的に似通った建物になると思います。注文住宅の良さである“創る”家でなく“買う”家になっているのかもしれません。土地形状に合わせてプランニングしてもらえるのも、建築家と建てる家の大きなメリットです。


岐阜の風土に合った工法や仕様を選択する

風土という話がありましたが、地域性、風土など岐阜ならではの注意点もありますか?

●大久保 次世代省エネルギー基準では、冬の寒さが厳しい飛騨地域など北部エリアはII、III地域ですが、それ以外はIV地域に区別されています。よく耳にする“高気密高断熱”が一律的に本当に必要なのかどうかも考えるべきでしょう。もちろん高気密高断熱の良さもありますので、納得した上で採用するのは良いと思います。ただ、選択する自由も確保されるべきだと思います。
 当社でLow-Eガラスを施工した経験がありますが、冬の日差しを予想以上に取り込むことができませんでした。それだけ夏の強い日差しは防いでくれるのでしょうが、冬場は予想以上に寒いものです。猛暑日がクローズアップされますが、本当に暑いのは7月20日から8月末ころまでです。逆に11月から3月まで寒い時期が続き、実は体感的に寒さの感じられる期間の方が長いものです。建築家はメリット、デメリットの両面からアドバイスしてくれます。あとはご自身のライフスタイルに合わせて、チョイスしていくのが良いと思います。

 
建築家と建てる家と住宅会社で建てる家の大きな違いは何ですか?

●大久保 建築家は住宅会社とは立場が異なります。お客様のこだわりや思い、要望などを聞いたうえで設計するわけですから、○○工法ありき、××仕様ありきという姿勢はあり得ません。確かに工法や仕様を統一し、同じような建物を作っていけば作業効率はアップするでしょう。しかし、本当に自由な注文住宅であるならば、お客様のこだわりや思いが住まいに反映されるのが当たり前ですし、手間もかかってくるのは当然だと思います。


施工者と監理者に分かれることで、チェック機能が働く

  ほかにも建築家と建てる家のメリットはありますか?

●大久保 建築家が建て主に代わって監理を行ってくれることです。施工者と監理者という異なる立場で、チェックする側とチェックされる側に分かれますから、設計段階で完全な自由設計が実現できるとともに、工事の監理に正常なチェック機能が働きます。いわば第三者の厳しい監視の目があるということです。

逆にデメリットはありますか?

●大久保 時間がかかることです。当社も建築家と建てる家を手がけていますが、打ち合わせ期間は短い方で3ヶ月、長い方では1年に及ぶこともあり、工事に入ってからも現場での打ち合わせが続きます。ゼロからの打ち合わせですから、必然的に時間はかかります。しかし、こだわりや思い入れの強い住まいを建てる方にとっては、そうした時間も大きな楽しみの1つといえます。

コスト面はどうでしょうか?

●大久保 建築家の設計費用は別途かかることになりますが、チェック機能が働くことの重要性を考えると、コストに見合った価値は十分にあると思います。チェックの行き届いた施工というプロセスを経て完成した住まいは、長い目で見て高い安心感が得られると思います。





株式会社OHKENハウス
〒504-0945 岐阜県各務原市那加日新町6丁目3番地 オフィス21 1-A
フリーダイヤル0120-055-406



過去の特集一覧へ戻る